第3回支部講演会(2/21 土)

■ 2025年度第3回支部講演会のお知らせ ■

JACET関西支部の2025年度第3回講演会が決まりましたので、お知らせいたします。リスニング研究会の企画により、橋崎諒太郞先生(松山大学講師)と井狩幸男先生(大阪公立大学非常勤講師・大阪市立大学名誉教授)をお迎えしご講演いただきます。ぜひ皆様万障お繰り合わせの上ご参加ください。

1.日時:2026年2月21日(土) 15:20~17:00
2.媒体:オンライン(Zoom)
3.参加費と参加申し込み方法:JACET会員は無料、非会員は有料(500円)。申し込みは下記より。
https://peatix.com/event/4797032
4.講演タイトル・概要
①橋崎諒太郞 先生
タイトル:「発声が効く条件とは何か:シャドーイングと音読の活用方法に関する一考察」What Conditions Enhance the Effects of Vocalization? A Consideration of Effective Uses of Shadowing and Reading Aloud
概要: シャドーイングや音読といった発声を伴う学習方法は、学校現場や英会話スクールを中心に幅広く活用されています。しかし、「具体的にどのような技能に効果があるのか」「どのような条件で実施すると学習効果が高まるのか」といった点については、現場の先生方でも迷われる場面が多いのではないでしょうか。本講演では、先行研究の成果に加え、私自身が行ってきた実験研究や授業での介入実践の知見を踏まえ、効果的なシャドーイングや音読の実施方法、そして恩恵を受けやすい学習者の特徴などについて整理します。また、授業に取り入れる際の教材選定、難易度の調整、音声の指導など、実践的な観点からのポイントも具体的に紹介します。研究的根拠と現場の知見を統合し、発声活動をより効果的に活用するためのヒントを提示するとともに、皆様の授業でどのように生かせるかを一緒に考えていきたいと思います。

②井狩幸男 先生
タイトル:「脳科学からみたリスニング」On Listening from the Viewpoint of Brain Sciences
概要:本講演では、リスニングに関して、応用言語学からみた知見とは別に、脳科学研究から得られた知見を基にリスニングの意味と役割を中心にお話しします。
 教育現場でリスニングを行う際、わざわざリスニングの意味や役割を考えることはしません。しかし、リスニングの基盤を理解すると、リスニング活動の応用に繋がる可能性があります。
 リスニングの基盤に関わる要因を、4つの観点から考察します。まず、リスニング過程の説明で用いられるボトムアップとトップダウンの視点の検討です。次に、母語獲得と第2言語習得において観察されるfis現象と空耳に関する分析です。3つ目は、マガーク効果に見られるリスニングの際の聴覚以外の知覚の影響に関する考察です。そして最後は、リスニングにおけるインプットとアウトプットの関係の再検討です。
 本講演を通して、リスニングの意味と役割について理解が深まれば幸いです。

5.講師紹介:
①橋崎諒太郞 先生
大阪経済大学で学士号を取得後、英会話スクールでの勤務を経て、名古屋大学大学院人文学研究科にて修士号・博士号(学術)を取得。専門は第二言語習得および英語教育で、特にシャドーイングや音読などの発声活動が英語学習に及ぼす影響を主な研究テーマとしている。実験や授業での介入を通してデータを収集し、統計的分析を行う研究に取り組んできた。近年は、発声が連語表現の学習や第二言語の発音にどのような影響を与えるのかについて検証を進めている。著書に『話すための進化系英語シャドーイング』があり、研究論文は Language Teaching Research, Journal of Asia TEFL, JALT Journal などに掲載されている。

②井狩幸男 先生
専門: 母語獲得・第二言語習得のメカニズムを神経心理言語学の観点から研究。博士(文学)。
著書: 共著書『小学校外国語活動の進め方—「ことばの教育」として—』(成美堂)、『ことばと認知のしくみ』(三省堂)、監訳『子どもの認知と言語はどう発達するか』(松柏社)など。「生きたことばを習得するための英語教育−母語獲得と脳科学の研究成果を踏まえて−」(学位論文)
役職: ことばの科学会副会長・会長、第1言語としてのバイリンガリズム研究会副会長・会長、外国語教育メディア学会早期英語教育研究部会会長、英語教育ユニバーサルデザイン研究学会顧問を歴任
現在、ヒトの言語活動について、同期、自己組織化、エントロピー、量子論の知見を踏まえ、脳科学、数学、物理学の観点から考察を行う。